Circle、NYDFSの信託チャーター取得でUSDCの監督体制を強化 規制対応を拡大
AI マーケットサマリー
Circle's 「Circle New York Trust」に対するNYDFSの「制限目的信託憑章」は、米国の重要な司法管轄区域におけるUSDCの規制上の立ち位を強化し、カストディに焦点を当てたOCC承認済みの連邦信託銀行を補完するものだ。NY信託構造内にUSDCの発行を維持しつつ、連邦監督下のカストディ・インフラを構築することで、監督体制と運用上の明確性が高まる。この動きは、特許の拡大や国際的な決済パートナーシップの拡大といった広範な展開の中で、USDCのレールに対する機関投資家の安心感を支える。
影響度
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▲ 強気
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ステーブルコインUSDCを手がけるCircleは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から「限定目的信託(limited-purpose trust)チャーター」を取得した。対象はCircle Internet Trust Company LLCで、今後は「Circle New York Trust」として運営する。発表は金曜日。Circleは2015年にBitLicenseを初めて取得した企業でもあり、NYDFSとの関係は長い。今回のチャーター取得により、同社はコンプライアンス枠組みが一段と強化され、USDCが"強固で信頼性の高い"州レベルの規制監督の下に置かれると説明した。ジェレミー・アレア最高経営責任者(CEO)は、ニューヨークが提供する規制の明確性を背景に、同州の枠組みでの監督強化は長期目標だったとしている。
米国戦略における位置づけとして、今回の州レベルの認可は、今月上旬に示された連邦レベルの動きとも並走する。米通貨監督庁(OCC)は、First National Digital Currency Bank, N.A.の設立を認可しており、同機関は連邦監督下で「Circle National Trust」として受託者(fiduciary)向けデジタル資産カストディを提供する計画だ。いずれも信託形態を伴うが、米金融システム内で担う役割は異なり、相互に代替するものではない。
Circleが示した主な運用上の違いは次の通り。USDCの発行は、連邦チャーターの銀行ではなく、ニューヨークの限定目的信託会社を通じて継続する。連邦監督下の銀行(Circle National Trust)は受託カストディサービスを担い、USDCのリザーブ(準備資産)運用は当初段階では銀行の外側に置く方針。機関の整備が進むにつれて、将来的にリザーブ関連業務を移す可能性があるとしている。
規制対応に加え、Circleは事業拡大も進める。7月下旬には、IBMの特許ファミリー680超(世界で発行済み特許は約1,000件)を取得したと開示した。ブロックチェーン基盤、決済、銀行、エンタープライズシステム、サプライチェーン検証、セキュアなクラウド運用などが対象で、USDCやCircle Payments Network、Arcといった製品の強化に活用する。取引金額は公表していない。
海外連携も模索している。7月には韓国のKakao GroupおよびフィンテックのTossと、ブロックチェーン決済、クロスボーダー決済、ステーブルコイン基盤に関する覚書(MOU)を締結。将来のKRW建てデジタル資産、USDC、既存金融ネットワークの接続可能性も議題に含まれるが、商用ローンチは現時点で発表されていない。Circleは自社でウォン建てステーブルコインを発行する計画はないとし、USDCをローカルのデジタル通貨をグローバルな決済レールにつなぐインフラとして位置づけている。
NYDFSの信託チャーターとOCCの認可は、州と連邦の双方でCircleの規制上の足場を広げる一方、ステーブルコインの発行とカストディの枠組みを既存の法制度に沿って整理するものとなる。デジタルドルの存在感が増す局面で、規制の明確性と正当性は普及の要件になりつつあり、USDCに対する監督の層が厚くなる意義は大きい。