Coldcardに脆弱性、予測可能なシード生成を突かれ594BTCが流出
AI マーケットサマリー
重大なColdcardのシード生成における欠陥により、約500のウォレットから約594 BTCが迅速に盗まれることが可能となり、ハードウェアウォレットのセキュリティおよびシード作成を巡る運用慣行への信頼が損なわれた。緊急ファームウェア更新は提供されているものの、侵害されたシードはその場で修復できず、ユーザーは資金の移行を余儀なくされ、短期的にオンチェーンの変動を生む可能性がある。このインシデントは関連する鍵素材にまで監査範囲を広げ、暗号資産市場全体でカウンターパーティーおよびカストディリスクに対する認識を高めている。
影響度
● 高い
影響を受ける資産
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▼ 弱気
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要点:金曜未明、Coldcardのシングルシグ約500ウォレットから計約594BTC(約3,800万ドル)が、わずか25分で一斉に移転される被害が発生した。問題は乱数生成の回避によりシードが予測可能になっていた点にあり、Coinkiteは緊急ファーム更新を提供。ただし脆弱な条件で作られたシードは更新では修復できず、作り直しと資金移動が必要になる。
調査によると、資金移動は金曜01:31〜01:56(UTC)に集中し、3ブロックの間に約500件のトランザクションで実行された。速度と精度の高さが目立ち、長期間休眠していたウォレットが多数含まれていたという。追跡では、うち562BTCが単一アドレスに集約されたまま動いていないことが確認されている。
発端は2021年3月に導入されたColdcardのファームウェアにある。ビルド設定の不備でハードウェア乱数生成器がバイパスされ、関連ライブラリ側のチェックも"設定が存在するか"しか見ておらず、有効化の有無を検証していなかった。結果として鍵生成はソフトウェア側にフォールバックし、シードの初期化にチップのシリアル番号やクロックレジスタが使われた。これらは秘匿情報ではなく、攻撃者にとって推測可能なため、本来ほぼ当てられないはずの探索空間が大幅に縮小された。
影響の有無は端末の購入時期ではなく、ウォレット作成時に動いていたファームウェアに左右される。Coinkiteは、Mk3でファームウェア4.0.1以降にシードを生成したユーザーに警戒を呼びかけた。Mk4、Q、Mk5は初期分析では影響なしとしているが、現時点では暫定見解としている。
同社はMk4、Mk5、Q向けに緊急アップデートを公開した一方、パッチ適用で過去に生成された弱いシードを"強く"することはできないと説明する。該当する可能性がある場合、所有者は新しいシードを作成して資金を移し替える必要がある。推奨策としては、強力なBIP39パスフレーズの設定、少なくとも99回のダイスロールの利用、または両方の併用を挙げた。サポート対象外のMk3ユーザーは、残高保護のために別途、移行手順が複雑になる可能性もある。
攻撃の発見経緯についてCoinkiteは、過去のオープンソースファームウェアを人工知能(AI)で精査し、欠陥をスケールさせて突き止めた可能性があるとの見方を示した。もっとも現時点では推測で、帰属(アトリビューション)が確定したわけではない。なお同社は、数週間前にAI支援レビューを実施した際には重大な問題は見つからなかったとも述べており、同じ分析手法が防御にも悪用にも働き得る点を浮き彫りにした。
影響範囲はウォレットのシードに限らない可能性がある。問題の生成器は、ペーパーウォレットの鍵、シード分割用マスク、クローン鍵、Key Teleportの転送などにも関与した恐れがあり、594BTCの流出にとどまらない広い観点で検証が続いている。