Coldcard関連のビットコイン流出、潜在損失は最大1億1400万ドル規模に接近か
Coldcardを巡るビットコイン流出が拡大する可能性が浮上している。脆弱な条件で生成されたウォレットが新たに"4回目の一斉スイープ"を受けた可能性が報じられ、潜在的な損失額は最大で約1億1400万ドルに近づくとの見方が出ている。焦点は、旧型端末におけるシード(復元フレーズ)生成の仕組みに対する懸念だ。
問題の中心にあるのは、Coinkiteが開発するビットコイン用ハードウェアウォレット"Coldcard"。特定の旧デバイスでシードフレーズを生成する過程に欠陥があったとされ、CoinkiteはColdcard Mk3向けにシード生成に関する警告を公表している。関連情報として、8月2日付の"Hodler's Digest"で"Coldcard Exploit"が取り上げられた。
技術面では、Blockのエンジニアリング分析によれば、Coldcardファームウェアにおける"予測可能な乱数生成器へのフォールバック"と"32bitのreseed"が組み合わさった設計が問題として記録されている。エントロピー(乱数の強度)が弱いと、攻撃者が秘密鍵を推測できる余地が生まれる。
事案は収束していない。Coldcardのエクスプロイトが発覚して"5日目"とされた時点でも、調査が続くなかで影響を受けたウォレットから資金移動が継続している。犯人の特定や最終的な被害総額は未確定だ。
損失規模については、あくまで"確定額"ではなく"潜在的(potential)"な推計として示されている。CoinDeskは、脆弱なウォレットへの"4回目のスイープ"が浮上したことで、Coldcard関連の損失が約1億1400万ドルに迫る可能性があると報道。これは、弱いエントロピーで生成されたウォレットが抱える"エクスポージャー"を反映したもので、盗難額を単一の確定集計として示したものではない。
スイープが波状的に発生しているため、追加の影響アドレスが特定されたり資金が引き出されたりするたびに推計値は変動し得る。資金の回収、凍結、誤認された移動があれば、最終値は増減どちらにも振れ得る。
利用者にとっての当面の焦点は、自分の端末が影響を受けたファームウェアでシードを生成していたかどうかだ。Coinkiteは、"594 BTC"の盗難が報じられた後、Coldcard Mk3の保有者に対し、端末世代の確認と、リスクがある場合は新たに安全に生成したシードへ資金を移すよう促している。
今回の件は、鍵生成とコールドストレージの安全性を強みにするハードウェアウォレットにとって、信用面で大きな打撃となる。エントロピー層の欠陥は製品の根幹に触れる問題だ。
コミュニティ内では、スイープの状況を追跡するアカウントの投稿も注目を集めており、@intangiblecoinsによるX上の投稿が議論のなかで引用されている。
自己管理(セルフカストディ)の観点では、秘密鍵を自分で保有することでカウンターパーティーリスクは減る一方、端末とファームウェア実装の正しさに依存する度合いが増す。今回の事例は、ZeroStackが"8250万ドル"の損失後に存続リスクを警告したケースなど、他のカストディ関連の失敗例と並び、実装の細部が資産に直結することを改めて示した。
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